「13mのトレーラにパレットは何枚積めますか」という問いに、乙仲は一つの数字を答え、トレーラメーカーは別の数字を答えます。どちらも間違っていません。そして、どちらの数字もあなたの1本を決めません。
短い答え:13mウイングトレーラの荷台12,900×2,350mmには、11型パレット(1100×1100)が22枚、12型パレット(1200×1000)が20枚、いずれも1段積みで入ります。 欧州で標準の1200×800パレットは、この荷台では3枚並びません——2,400mmに対して幅が2,350mmしかないからです。
そのあと制約は、誰もが口にする順番の逆でやってきます。床は22枚をくれる。最大積載量がそれを削る。そして車両制限令の軸重10tがもう一度削る——連結総重量が36tに対してまだ8t以上余っている状態で、です。理由は積んだ量ではなく、積んだ位置にあります。
答えを1枚の表で
| パレット | 寸法 | 横 | 列 | 1台あたり | 床の使用率 |
|---|---|---|---|---|---|
| 11型 / T11(JIS Z 0601) | 1100×1100mm | 2 | 11 | 22 | 87.8% |
| 12型 / T12 | 1200×1000mm | 2 | 10 | 20 | 79.2% |
| 欧州パレット(1200×800) | 1200×800mm | 2 | 10 | 20 | 63.3% |
| 11型ハーフ | 1100×550mm | 2 | 23 | 46 | 91.8% |
| 11型・2段積み | 1100×1100mm | 2 | 11×2 | 44枚分 | — |
13mは荷台では何mmか
現場で言う「13m」はトレーラの全長であって荷台の内寸ではありません。実際の荷室は12,600〜13,000mm、幅は2,320〜2,360mmあたりに収まり、本記事の車両は12,900×2,350×2,310mmです。この幅は偶然ではなく、車両制限令の一般的制限値である車幅2.5mから、あおり・ウイングの構造材と外板を差し引いた残りです。
そして幅こそが、日本の積み付けを他国と決定的に分ける寸法です。欧州のカーテンサイダーは内幅2,480mm——1200×800を3枚並べて2,400mm、余裕80mm。日本の2,350mmでは3枚並びません。50mm足りない。 その50mmのために、日本の荷台は欧州パレットに対して床の3分の1以上を捨てることになります。名目寸法と実寸のずれという同じ話は、箱については海上コンテナのサイズで扱いました。
| 車型 | 荷室 長×幅×高 | 11型 | 12型 | 備考 |
|---|---|---|---|---|
| 13mウイングトレーラ | 12.90×2.35×2.31m | 22 | 20 | 幹線輸送の主力 |
| 13m平ボディトレーラ | 13.00×2.35×—m | 22 | 20 | 床は同じ。高さの制約がない |
| 10t平ボディ(単車) | 9.60×2.35×2.40m | 16 | 16 | 牽引なし、総重量25t |
| 4tワイド車 | 6.20×2.25×2.20m | 10 | 10 | 標準幅2.1mでは11型が1列しか並ばない |
| 40ftコンテナ(ドレージ) | 12.03×2.35×2.39m | 20 | 20 | 枚数は箱が決める。車は決めない |
枚数を決めるパレット規格
| パレット | 寸法 | 最大積載質量 | 主な用途 |
|---|---|---|---|
| 11型 / T11(JIS Z 0601) | 1100×1100×144mm | 1,000kg | 国内一貫パレチゼーションの標準 |
| 12型 / T12 | 1200×1000×144mm | 1,000kg | 化学・樹脂・輸出向け |
| 14型 | 1400×1100mm | 1,000kg | 飲料・製紙の一部 |
| 欧州パレット EPAL 1 | 1200×800×144mm | 1,500kg | 欧州向け輸出、リターナブル |
| 米国 GMA | 1219×1016mm | — | 北米向け(48×40インチ) |
| 11型ハーフ | 1100×550mm | 500kg | 店舗配送、什器 |
12型(1200×1000)は輸出や化学品でよく使われますが、日本の荷台では11型に負けます。1,000mm側を横にして2枚で2,000mm——幅が350mm余る。1,200mm側を横にすれば1枚しか並ばない。奥行1,200mmで10列、合計20枚が上限です。同じ荷台で11型なら22枚。 この2枚の差が、国内向けに12型を選ぶ理由がほとんど無い理由です。
22枚・20枚はどこから来るか
11型 2 x 1,100 = 2,200mm (幅 2,350)
12,900 / 1,100 = 11.7 -> 11 列
11 x 2 = 22 枚、長さ余り 800mm
12型 2 x 1,000 = 2,000mm (幅 2,350)
12,900 / 1,200 = 10.75 -> 10 列
10 x 2 = 20 枚、長さ余り 900mm
欧州パレット 3 x 800 = 2,400mm > 2,350 入らない
2 x 800 = 1,600mm、750mm 空き
12,900 / 1,200 = 10 列 -> 20 枚11型22枚と13mウイングを与えると、CargoDuoの最適化器はそのまま2枚並べを11列に置き、22枚すべてを載せます。カタログを引かず、幾何だけで同じ数字に到達します。ただし床の使用率は87.8%で、欧州のカーテンサイダーが同じ計算で到達する96.8%には届きません。その差の大半は、荷台の幅に残る150mmと、後端に残る800mmです。
後端の800mmと、そこに置けないもの
12,900mmから11列分の12,100mmを引くと800mmが残ります。11型は1,100mm四方なので、この800mmには何も入りません。12型(奥行1,000mm)でも入らない。入るのは11型ハーフ(1100×550)か、パレットに載らないバラ荷だけです。この800mmは設計上の遊びではなく、パレット寸法と荷台長の最大公約数が合っていないという事実そのものです。
だからこそ、この800mmをラッシングと緩衝材の場所として最初から計画に入れるのが現実的です。欧州のように「隙間なく詰めて荷崩れを防ぐ」戦略は、日本の荷台では最後の1列で必ず破綻します。EN 12642でいう密着積載(ポジティブフィット)が日本の車型でほぼ成立しないのは、この800mmが理由です。
床より先に積載量が尽きる
実際の最大積載量を枚数で割ると、話は一瞬で変わります:22,000 ÷ 22 = 1,000kg が11型1枚あたり、12型20枚なら1,100kgです。11型パレット自体の最大積載質量が1,000kgなので、日本ではパレットの定格と車両の定格がほぼ一致している——欧州のように「パレットはまだ余裕なのに車が先に一杯」という構図にはなりません。海上側の計算は別で、コンテナにパレットは何枚積めるかにまとめてあります。
| 1枚あたり平均質量 | 上限までの枚数 | 使う床 | 荷種の例 |
|---|---|---|---|
| 400kg | 22(8.8t・重量に届かず) | 22 / 22 | 段ボール、樹脂成形品、衣料 |
| 630kg | 22(13.9t) | 22 / 22 | 家庭紙、日用品、軽量雑貨 |
| 1,000kg | ちょうど22(22.0t) | 22 / 22 | 均衡点 |
| 1,250kg | 17 | 17 / 22 | 板紙、印刷用紙 |
| 1,500kg | 14 | 14 / 22 | タイル、石材、袋物 |
最初に効く上限
総重量が合法であることと、車が合法であることは別です。車両制限令第3条は軸重10t、隣接軸重は軸距に応じて18〜20t、輪荷重5tを一般的制限値として定めています。総重量は一般的制限値で20t、重さ指定道路で25t、そしてバン型など特例5車種のセミトレーラ連結車なら最遠軸距に応じて最大36t。これらの上限はそれぞれ独立に効き、貨物の位置がその配分を決めます。
そして日本の数字は欧州より厳しい。欧州の駆動軸は11.5t、日本は10t。1.5tの差は、同じ積み方でも軸重の余裕が15%小さいということです。だから欧州では「ぎりぎり合法」で済む配置が、日本では最初から超過になります。
仕組みはてこです。トレーラの後軸群より前にある荷はすべてキングピンを通じてトラクタの駆動軸に載り、後端の荷は後軸群に載ります。前に寄せすぎれば駆動軸が10tを超え、後ろに寄せすぎればトラクタの駆動輪の接地荷重が落ちて、坂道と雪道で止まります。駆動軸には上限だけでなく下限もあります。
実際の出力で見るとこうなります。12型パレットに樹脂ペレット(25kg袋)を1枚720kgで23枚——16.6tの貨物、30.6tの連結総重量、上限36tに対して5t以上の余裕——を荷台に広げた状態。CargoDuoは駆動軸に11,337kg、上限10,000kgに対して113.4%を表示し、一方で後3軸は67.0%です。重い荷物ではありません。位置が悪いだけです。
軸重チェックを有効にすると、CargoDuoは配置を組み替えて駆動軸を9,967kg、99.7%まで下げます。ただし——ここが欧州との違いですが——23枚が21枚になり、2枚が2台目に回りました。駆動軸10tという日本の上限では、位置の調整だけで吸収しきれない場面が普通に出ます。合法にするコストが、配置ではなく枚数で払われるということです。
同じ荷物、二つの積み付け
11型でも同じことが起きます。冒頭の22枚——1枚630kg、13.9tの貨物、27.9tの連結総重量、上限36tに対して8t以上の余裕——に軸重チェックをかけると、CargoDuoは22枚を1台に載せません。20枚を載せ、2枚を2台目に回して駆動軸を95.4%に収めます。
床と軸を同じ計算で扱う理由はここにあります。2枚は気の重い電話1本です。同じ2枚が路上で過積載として検挙された場合、道路交通法57条の違反は運転者だけの問題では終わりません。荷主勧告制度(道路交通法58条の5)により、荷主が過積載を要求したと認められれば、荷主に対して再発防止の勧告が行われ、その事実は公表されます。トルコも同じ発想の連帯責任を最近になって交通法に書き込みました——区分はこちらのトルコの過積載罰金にまとめてあります。
2段積みと2段床
荷室高2,310mmに1,100mmの荷を2段——幾何としては成立し、11型なら44枚分になります。ただし重量では成立しません。22,000kgを44枚に割ると1枚500kg、うち11型パレット自体が約25kgです。実務では2段床(デッキ)を組むより、同じパレットの上に段積みするほうが一般的で、そのとき見るべきは下段貨物の圧縮強度と、荷室高からパレット高とストレッチ余裕を引いた実効高です。
つまり2段積みは容積勝負の手段です。空容器、段ボール、繊維製品、断熱材のように密度が低い荷でしか意味がありません。密度が上がった瞬間、2段目は永久に埋まらない——その計算は、荷役班が動き出すより先に出ます。
アオリとウイングは何を止められるか
欧州にはEN 12642という車体強度規格があり、コードLの車体は貨物質量の40%を前壁で、30%を側方で、25%を後方で受け止められると認証されます。コードXLなら前方50%、側方40%、後方30%。日本のウイングボディはこの規格で認証されているわけではないので、より安全側の前提を置くべきです:ウイングとアオリは荷崩れの飛び出しを防ぐ囲いであって、固縛の代替ではない。
| 前壁 | 側方 | 後方 | |
|---|---|---|---|
| EN 12642 コードL | 貨物質量の40% | 30%(幌:0%) | 25% |
| EN 12642 コードXL | 貨物質量の50% | 40% | 30% |
| 必要な拘束力 | 貨物質量の100% | 50% | 50% |
ロードメーターと車立て
LDM = (長さ x 幅) / 2.4 いずれもメートル 欧州パレット (1.2 x 0.8) / 2.4 = 0.40 LDM 12型 (1.2 x 1.0) / 2.4 = 0.50 LDM 11型 (1.1 x 1.1) / 2.4 = 0.50 LDM 日本の慣行: 車立て = パレット枚数 / 1台の枚数 11型 11枚 = 0.5 車立て(22枚積みの半分) 11型 22枚 = 1 車立て(貸切)
ロードメーター(LDM)は欧州で混載を値付ける単位で、幅2.4mの床を1m使うことを1LDMとします。日本の荷台は幅2.35mなので、この式をそのまま当てると床を約2%多く見積もることになります——欧州の2.48m床では逆に約3%少なく見積もる。どちらにせよ、LDMは日本の車型に合っていません。 国内では枚数と「車立て」、そして容積(才/m³)で建てるのが実務で、そのほうが荷台の実態に近い。容積から運賃重量を出す換算はCBMの計算方法にまとめてあります。
配車を決める前に
- 1枚あたり平均質量を1,000kgと突き合わせる——超えるなら22枚未満で計画する。
- 駆動軸と後軸群を別々に計算する。連結総重量から推測しない。
- 貨物重心が許容窓に入っている:満載時キングピンから約6.8m、上下0.2m。
- 後端に残る800mmの扱いを決めてある(固縛か、列の前寄せか)。
- 送り状の申告質量が実際の積載と一致している——荷主勧告制度は荷主にも及ぶ。
まとめ:枚数は一番簡単な部分
11型22枚、12型20枚、欧州パレットなら20枚。この数字はメジャーがあれば10秒で出ます。判断が要るのはその先の三つです。1枚の平均質量はいくらか、その質量は床のどこに載るのか、載せたとき各軸は何を指すのか。三つとも合法な車は、積み付けの習慣ではなく計画の結果です。
よくある質問
13mトレーラに11型パレットは何枚積めますか?
1段積みで22枚です。12,900×2,350mmの荷台に2枚並べを11列。幅は2,200mm使って150mmが残り、長さは12,100mm使って800mmが残ります。CargoDuoの最適化器も幾何だけで同じ22枚に到達します。
なぜ日本のトレーラに欧州パレットは3枚並ばないのですか?
1200×800を3枚並べると2,400mm必要ですが、日本の13mウイングの内幅は2,350mm前後しかないためです。50mm足りません。逆に11型(1100×1100)は2枚で2,200mmに収まり、これがJIS Z 0601が1100mm四方を選んだ理由でもあります。欧州のカーテンサイダーは内幅2,480mmなので3枚並びます。
12型(1200×1000)は何枚積めますか?
20枚です。1,000mm側を横にして2枚で2,000mm、奥行1,200mmが10列。1,200mm側を横にすると1枚しか並びません。同じ荷台で11型なら22枚なので、国内輸送では11型のほうが2枚分有利になります。
パレット1枚あたり何kgまで積めますか?
特例5車種のバン型セミトレーラ連結車(最大36t)から車両重量14tを引いた最大積載量22tを22枚で割ると、1枚あたり1,000kgです。11型パレット自体の最大積載質量も1,000kgなので、日本ではパレットの定格と車の定格がほぼ一致します。
総重量が上限内なら過積載にはなりませんか?
なります。総重量と軸重は別の上限です。本記事の例では連結総重量30.6t——上限36tに対して5t以上の余裕——でありながら、駆動軸が11,337kgと上限10,000kgを超えました。16.6tの貨物を荷台に均等に広げたためで、量ではなく位置の問題です。
軸重の上限はいくつですか?
車両制限令第3条により軸重10t、輪荷重5t、隣接軸重は軸距が1.8m未満で18t、1.3m以上かつ隣接軸の軸重がいずれも9.5t以下で19t、1.8m以上で20tです。欧州の駆動軸11.5tより1.5t厳しく、同じ積み方でも余裕が15%小さくなります。これを超えるなら特殊車両通行許可が必要です。
軸重を守ると枚数は減りますか?
減ることがあります。欧州では配置の変更だけで収まる場面が多いのですが、駆動軸10tという日本の上限では吸収しきれず、枚数で払うことになります。本記事の12型の例では23枚が21枚に、11型の例では22枚が20枚になりました。いずれも残りは2台目に回っています。
過積載は荷主も責任を問われますか?
問われます。道路交通法58条の5の荷主勧告制度により、荷主が過積載を要求したと認められる場合、荷主に対して再発防止の勧告が行われ、その事実は公表されます。運転者への反則と事業者への行政処分に加えて、荷主にも及ぶ仕組みです。
車両寸法と重量の上限は車両制限令(昭和36年政令第265号)第3条および特例5車種セミトレーラ連結車の取扱いに、特殊車両通行許可は道路法47条の2に、過積載と荷主勧告は道路交通法57条・58条の5に拠ります。パレット寸法はJIS Z 0601およびISO 6780、欧州パレットの公差はUIC 435-2(+3/-0mm)に拠ります。連結車の車両重量と貨物重心の許容窓はTata Steel UKの技術資料TIS-0012(2024年11月)、固縛の考え方はEN 12642に拠ります。総重量の上限は走行する道路の指定(重さ指定道路・高速自動車国道)と最遠軸距で変わるため、実際の経路で確認してください。本記事のCargoDuoの読み値はすべて実際の出力で、アプリ上で再現できます。