40ftコンテナの床面積は28.3m²。T11型パレット(1100×1100mm)の底面積は1.21m²だから、割り算は「23枚」と言う。だが実際に床に並ぶのは20枚——T11は正方形で、これ以上は増えない。ところがユーロパレット(1200×800mm)では話が変わる。割り算は29枚、現場の答えは25枚。そして多くのバンニング現場は20〜21枚で止まり、その差を2本目のコンテナで埋めている。
短い答え:20ftコンテナに入るのはT11型パレット(1100×1100mm)で10枚、40ftと40ftHCで20枚。ユーロパレット(1200×800mm)なら20ftに11枚、40ftに最大25枚。T12型(1200×1000mm)は10枚と21枚である。二段積みができれば理論上は倍になるが、実務では容積より先に重量が上限に当たる。
20〜21枚と25枚の差を生むのはコンテナの寸法ではなく、パレットをどちらの向きで入れるかである。ただしT11型は正方形で、向きを変えても枚数は増えない——この話が効くのはユーロとT12である。以下に出てくる枚数はすべて、実際の積載プランで1枚ずつ収まることを検証済みである。
早見表:コンテナ別・規格別のパレット枚数
| コンテナ | 内寸床面(長×幅) | T11型(1100×1100) | T12型(1200×1000) | ユーロ(1200×800) | 二段積み(ユーロ)* |
|---|---|---|---|---|---|
| 20ftDC | 5.90×2.35m | 10 | 10 | 11 | 22 |
| 40ftDC | 12.03×2.35m | 20 | 21 | 25 | 50 |
| 40ftHC | 12.03×2.35m | 20 | 21 | 25 | 50(余裕あり) |
| 45ftHC | 13.58×2.35m | 24 | 24 | 27 | 54 |
40ftDCと40ftHCでパレットの枚数が同じなのはなぜか。両者の内寸床面が完全に同一(12.03×2.35m)だからである。ハイキューブの違いは内高が約31cm高いことだけで、この差は床の枚数ではなく二段積みの余地として効く。コンテナ内寸と容積の計算そのものはCBM計算ガイドにまとめてある。
パレット規格がすべてを変える
「パレット」は1つではない。日本の国内一貫輸送の主役はJIS Z 0601のT11型——通称イチイチパレットで、JPR・NPPのレンタルパレットもこれである。しかし輸出入の現場では、少なくともあと3つの規格に出会う。ユーロパレット(EPAL)、T12型、北米のGMAパレット——そして「コンテナに何枚入るか」の答えは、規格ごとに変わる。
| パレット規格 | 寸法(mm) | 20ftで | 40ftで | 主な用途 |
|---|---|---|---|---|
| T11型(JIS、通称イチイチパレット) | 1100×1100 | 10 | 20 | 日本の国内一貫輸送・アジア域内。JPR・NPPレンタル |
| T12型(12型とも) | 1200×1000 | 10 | 20〜21 | 化学・飲料・北米系荷主 |
| ユーロパレット(EPAL 1) | 1200×800 | 11 | 25 | 欧州向け輸出・欧州からの輸入 |
| GMAパレット(48×40インチ) | 1016×1219 | 9〜10 | 20〜21 | 北米国内——ISOコンテナとは相性が悪い |
| ハーフパレット(EPAL 6) | 800×600 | 21 | 45 | 小売・EC |
差は小さく見えて、結果には強く効く。40ftでユーロの25枚に対しT12は21枚——4枚、床の約16%である。まとまった出荷では、この差だけで2本目のコンテナが要るかどうかが決まる。どちらの規格にもパレタイズできる貨物なら、コンテナ効率ではユーロに分がある。
20ftの床割り:T11は10枚で確定、ユーロは7枚にも11枚にもなる
まずT11型。20ftDCの内寸床面は5.90×2.35m。1100mm角のT11は幅方向に2枚(2,200mm)、長さ方向に5枚(5,500mm)——2列×5枚=10枚で、正方形ゆえ計算はここで終わる。ユーロパレットはそうはいかない。床面積は5.90×2.35=13.84m²、ユーロの底面は0.96m²。割り算は「14.4枚」と言うが、パレットは切り分けられない。実際の枚数は、選んだ床割りで決まる:
5.90 ÷ 1.20 = 4列 × 2枚 = 8枚 奥に1.10mのデッドスペースが残る
5.90 ÷ 0.80 = 7列 × 1枚 = 7枚 幅方向に1.15mの帯がまるごと空く
幅1.20mのレーン:800mm辺を前に7枚 残り1.15mのレーン:1200mm辺を前に4枚 7 + 4 = 11枚
同じコンテナ、同じパレットで、床割りが3つあれば答えも3つ——7枚、8枚、11枚。最悪と最良の差は57%である。下の画面が床割りCの実際の結果である:
40ftの床割り:T11は20枚、ユーロは向き次第で20枚か25枚
40ftDCの内寸床面は12.03×2.35m。T11型は2列×10枚=20枚で確定する(10列×1,100mm=11.0m、11列目は入らない)。ユーロパレットを全部縦入れにすると10列×2枚=20枚で、幅75cmの帯が空のまま走る。縦横ミックスなら床は2レーンに割れる:幅1.20mのレーンに800mm辺を前にして15枚、残り1.15mのレーンに1200mm辺を前にして10枚——合計25枚である。冒頭の問いはここで答えが出る。20〜21枚で止まる現場と25枚に届く現場の差は、一部のパレットを90°回すかどうかだけ。この4〜5枚が、平均的な出荷で2本目の20ftコンテナを手配するかどうかの分かれ目になる。
40ftHCが効くのはいつか
HCの内高約2.70mは、パレット荷高1.30mまでの二段積みを成立させる。標準の40ftDC(2.39m)での上限は約1.15m。つまりHCが増やしてくれるのは床ではなく、2段目である:
| パレット荷高(パレット込み) | 40ftDCで二段積み(内高2.39m) | 40ftHCで二段積み(内高2.70m) |
|---|---|---|
| 1.00m | できる | できる |
| 1.15m | ぎりぎり(余裕9cm) | できる |
| 1.30m | できない | できる |
| 1.60m | できない | できない |
二段積みの本当の上限は容積ではなく重量
枚数を2倍にする前に、この割り算をしておく。コンテナの最大積載量は機材カード上28t前後あるが、日本の陸送は実務上約26tで頭打ちになる(制度の中身は後述の陸送の章で)。この上限を枚数で割ると、表は次のように締まる:
| シナリオ | 枚数 | パレット1枚あたりの上限重量* |
|---|---|---|
| 40ft——1段 | 25枚 | ≈1,040kg |
| 40ft——二段積み | 50枚 | ≈520kg |
| 20ft——1段 | 11枚 | ≈2,360kg |
| 20ft——二段積み | 22枚 | ≈1,180kg |
実例:名古屋からロングビーチへ、自動車部品のパレット25枚
愛知の自動車部品サプライヤーが、名古屋港からロングビーチ向けの出荷を準備している。納入先の指定荷姿はユーロパレット(1200×800mm)で25枚、パレット込みの荷高1.55m、1枚あたり総重量380kg——合計9,500kg。現場は「40ftは21枚まで」という経験則で動いているため、21枚+4枚に分けて1×40ftDC+1×20ftDCの2本をブッキングする。
だが計算は2つの確認で片づく。第一に、荷高1.55mのパレットはどのドライコンテナでも二段積みできない(2×1.55=3.10m>内高2.39m)。第二に、二段積みはそもそも要らない。縦横ミックスの床割りなら、25枚すべてが1本の40ftDCの床に収まる——冒頭のヒーロー画像のバンニングプランが、まさにこの出荷である。重量の確認:9,500kgは実務上限の約26tを大きく下回る。
| プランA——「40ftは21枚」の経験則 | プランB——縦横ミックスのバンニングプラン | |
|---|---|---|
| 機材 | 1×40ftDC+1×20ftDC | 1×40ftDC |
| 床割り | 21枚+4枚、20ftは大半が空 | 25枚すべてが1本に |
| 海上運賃(Drewry WCI、2026年8月6日) | 約USD 7,100 | 約USD 4,297 |
| 通関・港湾書類 | 2セット | 1セット |
| 差額 | — | 約USD 2,800+書類1セット |
差はコンテナにもパレットにもない。バンニングプランにある。
パレット積みでよくある5つの誤り
- 一方向の床割りを標準だと思い込む。全パレットを同じ向きに並べると、40ftで4〜5枚分の床を失う。ユーロ・T12では縦横ミックスこそ標準であるべきだ(T11型は正方形なので例外)。
- オーバーハングを測らない。規格上の1200×800mmが、ストレッチ込みでは1250×850mmになっていることがある。長さ方向のレーンで1枚分が消える。
- 重量配分を無視する。重いパレットを片端に寄せるとコンテナの重心が偏り、陸送で軸重超過として跳ね返る。
- 扉側と荷卸し順を計画しない。扉に最も近いパレットが最初に降りる。複数納入先の積み合わせで順序を誤ると、最初の納入先でデバンニングのやり直しになる。
- 下段の耐圧を確認せずに二段積みする。下のカートンが潰れるなら、稼いだ容積は損害額より安くない。
バンニング前チェックリスト
- パレットのストレッチ込み実外寸を測ったか
- パレット荷高 ÷ 内高 = 何段になるか
- 総重量は陸送側の上限(約26t)を下回るか
- 二段積み時、1枚あたりの重量は上限内か
- 縦横ミックスの床割りを試したか(T11以外)
- 荷卸し順は納入先の順序と合っているか
陸送(ドレージ)を忘れない
コンテナに収めたパレットは、港まで海上コンテナ用のセミトレーラで走る。道路法に基づく車両制限令の一般的制限値は車両総重量20t(高速自動車国道等の指定道路で最大25t)・軸重10tで、実入りの海上コンテナ車は通常これを超えるため、特殊車両通行許可(特車許可)を取得して通行する。2018年創設の重要物流道路制度では、指定区間に限り国際海上コンテナ車(40ft背高)の特車許可が不要になり、総重量は軸数・軸距に応じて最大44t・軸重11.5tまで認められる。ここからトラクタとシャーシの自重(約14〜15t)と40ftコンテナの自重約3.7tを引くと、貨物に残るのはおよそ25〜26t——コンテナの機材カード上の最大積載量が28t前後でも、先に効くのは陸送側の制限である。輸出時のVGM(コンテナ総重量の確定)の申告も、この計算と同じ根拠でそろえる。そしてもう1つ:重量を片端に寄せた床割りは、海上では問題にならなくても計量で軸重超過になる。バンニングプランは、重量を長さ方向に均すところまで含めて初めて完成する。
早見表:覚えておく7つの数字
| 問い | 答え |
|---|---|
| 20ftコンテナにT11型パレットは何枚? | 10枚(2列×5枚) |
| 40ftコンテナにT11型パレットは何枚? | 20枚(2列×10枚) |
| 20ftコンテナにユーロパレットは何枚? | 11枚 |
| 40ft・40ftHCにユーロパレットは何枚? | 25枚(縦横ミックスで。床面は両者同一) |
| 45ftHCにユーロパレットは何枚? | 27枚 |
| 40ft二段積み時の1枚あたり上限重量 | ≈520kg |
| 陸送での実務上の最大積載量 | ≈26,000kg |
まとめ:枚数は定数ではなく、プランの変数である
「コンテナにパレットは何枚入るか」に、単一の正解はない。答えはパレット規格、荷高、重量、そして何より床割りで決まる。T11型なら答えは固定される——20ftで10枚、40ftで20枚。だがユーロとT12では、同じ40ftコンテナ・同じパレットが20枚にも25枚にもなる。この5枚の差は、年間で数十本のコンテナに相当する。
よくある質問
20フィートコンテナにT11型パレットは何枚入りますか?
1段(床置き)で10枚である。内寸幅2,352mmに1,100mm角のT11型が2枚(2,200mm)並び、長さ方向に5枚(5,500mm、内寸長5,898mm)——2列×5枚=10枚。正方形なので向きを変えても枚数は増えない。荷高が低く重量が許せば、二段積みで20枚まで積める。ユーロパレット(1200×800mm)なら縦横ミックスの床割りで11枚である。
40フィートコンテナにパレットは何枚積めますか?
1段でT11型は20枚(2列×10枚)、T12型(1200×1000mm)は20〜21枚、ユーロパレット(1200×800mm)は縦横ミックスの床割りで最大25枚である。ユーロを全部同じ向きに並べると20枚で止まる——25枚に届くかどうかは床割り次第である。40ftHCも床面は同じなので、1段の枚数は変わらない。
40フィートとハイキューブ(40ft HC)でパレットの枚数は変わりますか?
1段では変わらない。内寸床面は両者とも12.03×2.35mで、T11型なら20枚、ユーロなら25枚である。差は内高にある——40ftDCの2.39mに対し、HCは約2.70m。パレット荷高1.30mまでならHCで二段積みが成立し、40ftDCの上限約1.15mを超える荷姿でHCが効いてくる。
コンテナの中でパレットを二段積みしても大丈夫ですか?
3つの条件がそろえば可能である。第一に高さ:荷高の2倍が内高に収まること(40ftDCで約1.15mまで、40ftHCで約1.30mまで)。第二に重量:陸送側の実務上限約26tを枚数で割ると、40ftの二段積みでは1枚あたり約520kgが目安になる。第三に下段の耐圧:EPALのユーロパレット自体は動的荷重1,500kgまで持つが、下段のカートンが上段の重さに耐えるかは別問題で、箱のISO 780の段積みマークで確認する。
T11型・T12型・ユーロパレットは何が違いますか?
寸法と、その結果としてのコンテナでの枚数である。T11型は1100×1100mmのJIS規格(Z 0601)で、日本の一貫輸送の標準——20ftに10枚、40ftに20枚。T12型は1200×1000mmで、20ftに10枚、40ftに20〜21枚。ユーロパレットは1200×800mmの欧州標準で、20ftに11枚、40ftに縦横ミックスで25枚。同じ40ftでも、T11の20枚とユーロの25枚では床の使い方がまったく違う。
コンテナの最大積載量はどのくらいですか?
機材仕様上は20ft・40ftとも28t前後(最大総重量30,480kg級)である。ただし日本の陸送では車両制限令の制約があり、実入りの海上コンテナ車は特殊車両通行許可(特車許可)を取得して走る。重要物流道路の指定区間では総重量最大44tまで認められるが、トラクタ・シャーシ・コンテナの自重を引くと、貨物に残るのは実務上25〜26tである。輸出時はこの根拠でVGM(コンテナ総重量)を申告する。
バンニングプラン(積付図)はどうやって作りますか?
手順は5つ。ストレッチ込みの実外寸を測る、パレット規格の基準枚数(T11型は10枚/20枚、ユーロは11枚/25枚)を引き当てる、荷高÷内高で段数を出す、総重量と1枚あたりの重量を確認する、最後に縦横ミックスと荷卸し順を織り込んで床割りを決める。CargoDuoのような積載アルゴリズムを使えば、パレットリストを読み込むだけで、3Dの積付図と積み込み順序までが数秒で出る。
貨物がパレットからはみ出している(オーバーハング)場合、どんな問題がありますか?
実効外寸が大きくなり、枚数の計算が崩れる。1200×800mmのパレットがはみ出しで1250×850mmになると、長さ方向のレーンで累積し、パレット1枚分の場所を失う。T11型の2列(2,200mm)と内寸幅2,352mmの余白は約150mmしかなく、片側75mmを超えるはみ出しで2列が組めなくなる。さらに、はみ出したカートンは隣のパレットや壁と接触し、輸送中の損傷リスクも上がる。計算は必ずストレッチ込みの実外寸で行う。
コンテナ内寸はISO 668および船社の機材仕様書(ONE、Maersk、Hapag-Lloyd、MSC)、T11型パレットはJIS Z 0601、ユーロパレットの寸法・許容荷重はEPAL規格、段積みマークはISO 780による。陸送側の重量は道路法に基づく車両制限令および重要物流道路制度(国土交通省)に基づく。本記事の25枚・11枚・50枚の床割りと充填率は、CargoDuoで実際に計算した積載プランの出力である。海上運賃の基準はDrewry World Container Indexの2026年8月6日時点の平均値(40ftあたりUSD 4,297)。スポット運賃は週単位で動くため、実勢は船社・フォワーダーに確認のこと。船社によってはラッシング(固縛)要件のため、表より1枚少ない前提を置くことがある——自社の船社の積付ガイドと突き合わせること。